鍼が身体に与える反応
・組織損傷による生体防御機転が起こる。
・筋の刺鍼による筋緊張緩和および血液循環の改善。
以上の反応によって運動器系の疼痛や不快な症状(肩こり、腰痛、膝の痛み等)の改善を目的に鍼灸の施術が行われます。
鍼灸は古来より運動器系の疼痛の治療だけでなく様々な体の不調に対して用いられ経験的に効果の良かった方法が残され現代に伝わっている施術方法です。
運動器系の不調以外に鍼灸が用いられてきた理由に
「自律神経に働きかけることができる」という事実が大きく関わっていることが考えられます。
参考書によると
浅刺・呼気・座位の刺鍼法は、副交感神経機能を主体的に高め、交感神経機能の高まりを導き自律神経機能の高い状態をつくる。そしてこの反応は、即時反応(2~数分後)、全身反応である。
(臨床鍼灸学を拓く~科学化への道標~ 西條一止著 )を参照。と書かれてありました。*浅刺とは皮下5mm以下の刺入。
上記の刺鍼法を用いることにより副交感神経の機能を主体的に高めることができる。この反応はストレス過多(交感神経過緊張)の現代人がかかえる多くの不調に対しての効果が期待されます。
自分の体でどのような反応が起こるのか?
自律神経バランス測定器TAS9医療機器許可番号 13B3X00442I00001を用いて浅刺・呼気・座位の刺鍼法によって自律神経のバランスがどのように変化するのか実験してみました。
果たしてその結果は?
施術前
施術後
*施術効果には個人差があります。
浅刺・呼気・座位の刺鍼法を左手の外関というツボ1箇所のみを20回の呼吸に合わせて刺激を
行いました。施術時間は3分もかかっていません。
測定結果を詳しく見てみると
施術前
施術後
*施術効果には個人差があります。
施術後に赤い〇が中央の青いゾーンに近くなっています。
施術前
施術後
*施術効果には個人差があります。
施術後にはすべての数値が上昇しています。
鍼刺激によって選択的に副交感神経の活動を主体的に高める方法を発見するまでに様々な試行錯誤
があったそうです。
副交感神経の活動を主体的に高めていくポイントは「皮下までの刺鍼」と「呼吸」にあるということですね。
このページの作成者について
著者:和田俊二
~略歴~
早稲田摂陵高校~明治東洋医学院
業界歴33年。学生生活最後の年に交通事故に遭い大怪我をした経験があり、患者の立場になってみて、今まで以上に「結果の出せる施術」を追求する。交通事故の経験は痛みを感じにくい動作やセルフケアの研究につながる。漢方薬店を併設し東洋医学のトータルケアが可能な施術所を設立。思考錯誤を繰り返し開発した「スイッチ鍼法」は特許庁より商標登録の許可を受ける。
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