冷え性の養生法

冷え性

「腎」のはたらきと冷え
体質的に冷えやすい方は、東洋医学でいう「腎」の働きが弱い人が多いです。「腎」は西洋医学でいう尿を排泄する機能のほかに、東洋医学では先天の精(先天的な生命力)を貯える場所とされ、成長、発育、生殖と関係していると考えます。ですから、「腎」の働きが弱いと、成長が遅い、骨や歯がもろい、また、耳に影響して耳鳴り、めまいといった耳の異常があらわれることもあります。そして、生殖機能の問題では女性では生理が初潮から乱れたり、無月経。男性ではインポテンツや早漏、精子の異常がみられます。「腎」の働きである、先天的な生命力を貯えるとは、体の中に「熱」を生み出す機能とも関係しています。「腎」の働きが弱いと「熱」を生み出す働きが弱くなってしまいます。「熱」がもともと少ない状態で気前よく「熱」を全身に配ってしまうと。生命を維持する「熱」までなくなってしまうおそれがあります。そんなことなっては大変なので、体は「熱」を出し惜しみするようになります。とくに、外気に触れる体の表面や手足など、「熱」をどんどん取られてしまうところには必要以上に「熱」を運ばないように、流れを制限するようになります。ですから手足が冷える、クーラーが苦手といった人は「腎」の働きを助けてあげなければいけません。

冷え性の人の養生法

養生その1…体を温めましょう!
人間の体は熱を逃がしやすい場所(襟元、鼠蹊部、膝の裏、足首)がありますのでその部分を外気にさらさない事です。そして、カイロや温灸器などを使って温めましょう! また、冷たい食べ物や飲み物は体の中の熱を奪います。手で触って冷たく感じるものは口にしないようにしましょう。

養生その2…睡眠時間を確保しましょう!
肉体的な過労や精神力の酷使などで先天的な生命力の貯金を使ってしまったら、十分休養を取りましょう。体は車のガソリンのようなもので、使いっぱなしではすぐに空になります。人間の体は外から栄養を与えられなくても、ときどき休むだけで給油できます。本格的な給油は睡眠です。睡眠時間を十分にとり、昼間の活動による消耗を次の日持ち越さないようにすることです。

養生その3…適度な運動をしましょう!
体を動かすと体内で「熱」が発生します。そして「熱」を発散させるため、体表の扉を開きます。このとき薄着でいられるのは体内で「熱」の生産と分配が上手に行われているからです。運動は「気」や「血」のめぐりをよくし、健康で温かく、やわらかい体をつくり体を芯から温める最も効果的な方法です。また、「熱」のめぐりは「気」のめぐりと関係します。ですから、気分が落ち込んだ状態だと末端への「熱」のめぐりは悪くなります。

和田はり灸院