整体や鍼灸の効果はなぜ変わる?同じ施術でも結果が違う理由

なぜ同じ施術でも結果が変わるのか?

整体や鍼灸というと、

「どこを押すのか」
「どのツボを使うのか」
「どんな手技をするのか」

といった「施術の方法」に目が向きやすいと思います。

もちろん、技術や知識はとても大切です。

しかし長く施術をしていると、それだけでは説明できないことがあります。

同じ場所に触れ、同じような施術をしていても、患者さんの身体の反応が毎回まったく同じになるとは限らないのです。

その理由の一つとして、私は施術者自身の身体の状態も関係しているのではないかと考えています。

人は相手の状態を無意識に感じ取っています

人間は、言葉だけでコミュニケーションをしているわけではありません。

相手の表情や姿勢、呼吸、声の調子、身体の緊張など、さまざまな情報を無意識に感じ取っています。

例えば、緊張している人と向かい合うと、こちらまで少し身構えてしまうことがあります。

反対に、落ち着いた人と一緒にいると、なんとなく安心して身体の力が抜けることもあります。

施術でも、これに似たことが起こります。

施術者が落ち着いて呼吸し、余計な力を抜いた状態で身体に触れると、患者さんの呼吸もゆっくりとなり、筋肉の緊張が自然にゆるんでいくことがあります。

反対に施術者が焦っていたり、「なんとか緩めなければ」と力んでいたりすると、そのわずかな緊張が触れ方にも現れます。

患者さんの身体は、そうした小さな違いも意外と敏感に感じ取っています。

同じ「触れる」でも身体が受け取る情報は違う

例えば肩に手を置くという、とても単純な動作があります。

一見すると、誰が行っても同じように見えるかもしれません。

ところが実際には、

力の入り方
手の重さ
身体の軸
呼吸
触れる速度
施術者自身の緊張

などによって、患者さんが受ける感覚は大きく変わります。

強く押していなくても「押されている」と感じる触れ方もあれば、しっかり触れていても、不思議と身体が受け入れやすい触れ方もあります。

つまり施術は、単に手技を身体に加えるだけではありません。

施術者と患者さんの身体の間で行われる、一つのコミュニケーションとも考えることができます。

身体が安心すると、力は抜けやすくなる

身体には、自分を守るために筋肉を緊張させる働きがあります。

痛みや不安、恐怖を感じると、身体は無意識に身構えます。

そのため施術でも、強く押して無理に筋肉を緩めようとすると、かえって身体が抵抗する場合があります。

一方で、

「この刺激なら大丈夫」

と身体が感じるような触れ方をすると、防御的な緊張が少しずつほどけていくことがあります。

当院が施術の際に大切にしているのも、この「身体が受け入れやすい触れ方」です。

無理に身体を動かしたり、強い力で押し込んだりするのではなく、患者さんの身体の反応を確認しながら施術を進めていきます。

「何をするか」だけでなく「どんな身体で触れるか」

施術の技術を学ぶと、どうしても

「どこを押せばいいのか」

「どのツボを使えばいいのか」

ということに意識が向きます。

しかし実際の臨床では、それと同じくらい、

施術者がどんな身体の状態で患者さんに触れているか

も大切ではないかと感じています。

施術者自身が力まず、呼吸が自然で、落ち着いた状態で触れる。

その状態から行われる施術は、患者さんの身体にとっても受け入れやすい刺激になる可能性があります。

古武術や太極拳などでは、力任せに相手を動かすのではなく、自分自身の身体の使い方を整えることを大切にします。

施術にも、どこか共通する部分があります。

施術の上達とは「触れる身体」を磨くこと

施術の上達というと、新しい技術をたくさん覚えることだと思われがちです。

もちろん、それも必要です。

しかし私は、施術者自身の身体を整え、

「余計な力を使わずに触れること」

「患者さんの身体の小さな反応を感じ取ること」

も、同じくらい重要だと考えています。

施術とは、単にテクニックを使う行為ではありません。

患者さんの身体と向き合い、その反応を感じながら行うものです。

だからこそ、

「どんな技を使うか」だけではなく、「どんな身体で患者さんに触れるか」

ということも大切にしたいと考えています。

和田はり灸院では、強い刺激で無理に身体を変えるのではなく、一人ひとりの身体の反応を確認しながら、できるだけ自然で負担の少ない施術を心がけています。

和田はり灸院